利口なバカ

ご多分に漏れずと云うか、人並みにというか、いつからかネットショッピングに手を染めております。 とは言ってもそこは根っこが貧乏人故、手当たり次第クリックして届いた宅配便の山に辟易ということではなく、ときどきAmazonやMonotaroで仕事に必要な道具や…

憎まれっ子世に憚る?

この半年あまりのアメリカ大統領選挙を見聞きし、世界中の識者の予測を覆してトランプ氏の勝利を突き付けられた時、頭に浮かんだ言葉は<憎まれっ子世に憚る>だった。 他人に憎まれる者ほど世間で幅をきかせると古来から云われてはいるが、これほど見事に証…

カイコウラ

2011年2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチを襲った地震の記憶があるだろうか。語学学校に通っていた28人の日本人が、ビル崩落によって亡くなったといえば思い出す人も多いはず。 その犠牲者の弔いが済まない翌3月11日、日本では東日…

俯き人/ウツムキジン

先日、めったに乗ることがない地下鉄に乗って、あのおぞましい記憶が戻ってきた。そう、あれは4年ほど前に所用で東京へ行ったおり、地下鉄、私鉄、国電(古いな、今はJRか)に10回以上も乗った時のこと。ラッシュ時間ではなく比較的すいた昼間だったから…

スーパームーン

今日(11月14日)の月をスーパームーンというそうです。 何がスーパーなのかというと、地球との距離が近くなってこれまでになく大きく見えるのだそう。なんでも68年ぶりだとか。ということは、私を含めてほとんどの人が生まれて初めて見る大きな月とい…

こりゃ根雪かな?

夜半から明け方にかけての吹雪は、11月に入ったばかりというのに40センチを越える積雪を置いて去りました。 自宅の周りの除雪を手早く済ませて出勤。 時期が早すぎてまだ体勢が整わず除雪が入っていない道路をやっと工房にたどり着くと、40センチどこ…

冬支度 覚え

18日の朝、いつもの通勤ルートの街路樹がこのうえなく鮮やかだったのです。真紅とオレンジと黄金色が快晴の空に負けじと輝いていました。19日。「昨日はカメラを持ってなかったから今日こそは」と期待したのに、木枯らしのせいでハラハラと葉を落としは…

外食のススメ

我ながらなんとも不謹慎な話ではある。 妻が困難な手術で入院中に<食べ歩き>を書こうとは。 安直にススメとしたが、ほんとに薦めている訳ではなくて、まあ、云うなれば期限付きチョンガーの食事録というところか。非常時である。老いてなお気丈な母や近所…

雪虫、初雪、過ぎる秋

9月に入っても暑い日が続いていたというのに、今年は早かったんです雪虫を見たのが。 例年なら10月の初旬から中旬の好天の日がその姿を認める初日になるのですが、このところ台風が通り過ぎる度に大陸の寒気を引っ張り込んでくれるので、おもわず身震いす…

うれしい便り

仕事を終えて自宅に帰ると、思いがけない人からの荷物が届いていた。 鳥取のO氏からの贈り物は、この季節だからこその二十世紀梨、しかも3Lの秀品。緩衝材でやさしく包まれたその実からは、ナイフを入れなくてもみずみずしさが想像できる。Oさんと初めて会…

栄華の記憶

150年以上も前、蝦夷地が未だ北海道になりきっていない頃、文明から遠く離れた日本海の浜辺に、これほど人間たちの昂りがあったとは・・。留萌の北、小平町にある花田家番屋を見学して改めて想った。毎年春の海岸に訪れるニシン漁がもたらした富と狂乱は…

落とし物

工房の斜め前の路上にこんもりとした落とし物。それにしても太い! コーヒー缶と同じくらい! どんな肛門してんだ!中身は大量のクルミ。先日来の台風で落ちたまだ未成熟な実を、硬い殻ごとバリバリとやったらしい。 ボソボソだけど、これだけいっきに落とし…

クズといえば

クズといえば・・。 大きく成長したそのイモからとれる上質できめの細かいデンプンは葛粉と呼ばれ、くず餅に代表される上品な和菓子材料として親しまれる。もち米の餅にはない、口に入れた時のあの優しい食感は、なぜか自分が少しだけ高貴になった気にさえし…

グリーンモンスター

もとは道路をはさんで小さなゴルフ場と畑だった我が家の向い側が、大規模な宅地造成を経て戸建て住宅団地に変わってからそろそろ10年が経とうとしている。 この地区が市内では有名な西岡公園を擁しているからではあるが、パークサイドとかウエストヒルズな…

山の日に

今年から8月の11日は<山の日>で、国民の祝日だという。 あまりに唐突で情報不足な感じがして、『ハハア、こりゃまたどうにも景気が上向かないから少しでも消費を刺激したい安倍政権が企んだナ」と、ちょっと調べてみた。いやいや失敬。この案は安倍さん…

カラダが〜ア

先月末に涼しい夏とグチをこぼしたからでしょうか。8月に入って一転、こんちくしょうとでも言わんばかりに暑い日が続いています。 日中の最高気温はもう1週間以上26度から32度くらいで推移し、夜も20度を上回って寝苦しささえ感じます。 熱帯夜とか…

えぞ梅雨

オホーツク海に居座った冷たい高気圧が動いてくれないせいで、関東から東北にかけての梅雨前線が大量の湿気を伴って北上し、このところ連日の雨天を北海道にもたらしてくれています。 梅雨が無いといわれる北海道ですが、何年かに一度くらいのペースでこの<…

狼藉のあと

いつもの清々しい朝のこと。犬を連れて散歩に出ようとして異変に気づきました。 クルマの屋根やあたりの地面に大量の干し草。見上げる視線がクギ付けになったのは、壊された換気口のフード。先月あたりからこのフードの中にはスズメが巣を作って子育てを始め…

やっぱりキレイだ

製作をやめていたカナディアンカヌーを、およそ10年ぶりに復活させました。 生産中止を惜しむ声もいただいたのですが、需要が減ってきたこと、傷んできた型を作り直す時間がなかったこと、そして最大の理由は、保管状況によっては木製のパーツが腐食するこ…

伊藤健次著「アイヌプリの原野へ」

誰にということではないが、この本と著者のことを誰かに伝えようとしてしばし時間を費やした。 学生の頃から知っている伊藤健次のことを何と紹介したら良いのか、登山家、エッセイスト、動物写真家、山岳写真家・・。そのどれもそうで、そのどれかではない。…

「ヒキョーだろオー」

ムキムキボデイーのマッチョなじいさんが、勝ち誇ったようなイントネーションで『ヒキョーだろー」と自慢してみせる殺虫剤のCMがあるでしょう。 これを見る度に、誰からも見えない場所で同じように「卑怯だろオ」とほくそ笑む安倍晋三君が思い浮かびます。 ア…

奇妙な果実

頭上のありえない方向から人の声。??・・見上げると送電線の鉄塔の最上部に人影が。 目を凝らすと送電線にぶら下がる2人と鉄塔に掴まって別の仕事をする3人の影が逆光の中に蠢いている。 その様子を見ながら、ふっと想い出したのがストレンジフルーツと…

マレーシアへ

全盛期の小錦でもじゅうぶん余裕の棺桶、というくらいの木箱に詰めたのは3分割のアマタック・ケブラーハル。 先日、苫小牧港から貨物船でマレーシアへ向けて運ばれて行きました。 こういうかたちでの輸出は初めてだったので、梱包資材やそのサイズ、それに…

緑したたる

早朝、高らかなカッコーの鳴き声が目覚ましでした。 クーラーの冷たい水をコップに半分ほど飲み干し、散歩の期待にはやる犬を連れて、ちょっと肌寒い朝の冷気の中に歩き出します。いつもの仲間と日高のキャンプ場でくつろいできました。肘付きの椅子に全身を…

芽吹きの前

6〜7年? いやもっと前だったでしょうか。何年前だったかはおぼつかないものの、暗闇に響き渡る木々の悲鳴だけは、今でも耳の奥にはっきり残っています。 10月の末、晩秋のことでした。 音も無く雨がしのついていましたが、夕方から地表近くに強い寒気が…

奈良の春日野

ぐずつき気味のゴールデンウィークを挟んだパッとしないこの10日間でしたが、なんとなくコブシとサクラが咲いて散り、日陰に残った雪も消え去りました。 いつものこの季節のような力強さは無いものの、ジメつく土地が乾くのと合わせるように春を待ちわびた…

マジっすか!

いやいやいや、どう見たって冬でしょ・・。もうじきサクラも咲くっちゅうのに・・。ゴールデンウィークだっちゅうのに・・。今朝の工房はこの通り。 冬景色に逆戻りだわ・・。 ハア〜。

NZの風

ニュージーランドの風をたくさん受けて帰ってきました。秋色に染まる湖畔を撫でてゆくやわらかな風。 枯れ野に群れなす羊たちを牧柵の隅に追い立てる冷たい風。 クジラやイルカたちとひと時を過ごした船を包む暖かい潮風。 氷河の上に降り立った時のヘリコプ…

帰ってきたホオジロ君

昨年の春から夏にかけて工房の周辺で過ごしていたホオジロが今年もまた戻ってきました。 昨年の7月25日に記した、ナルシストのオスです。 暖かい地方では、冬の渡りをしない留鳥として過ごすらしいのですが、北海道で越冬はできません。それほど長距離の…

バキュームインフュージョン

怪しい研究室のベッドの上に寝かされた人造人間には、無数のチューブがつながれ・・。子供の頃に見た漫画に出てくる、悪い天才博士が死体に命を吹き込むシーンはいつもそんなカットで始まったように思います。四半世紀以上もカヤックを作ってきて、より高い…