やっぱり木が好き

秀岳荘白石店のエントランスに立つ木彫りの看板を、新しいものに建て替えた。

先代の社長に頼まれて、この店のOPENに合わせて建てたのが15年以上も前、それからずいぶん経って丸太の根元が腐り、かなり以前から少しグラついていたので、この際全部を新しくすることになった。

そこで、頼まれると絶対に断らない何でも屋のおっさんとしては、やおら看板屋にモード変更して木工に取り組むことになる。犬ぞりや木艇のカヌーも最近ではほとんど作ることもなく、久しぶりに木の香りに囲まれてこころがちょっと嬉しがった。
山岳画家で文筆家の坂本直行さんの手になる字体を彫り進むとき、渾身の力で丸太をひっくり返すとき、まるで自分が木彫家の砂澤ビッキさんにでもなったような、小さい幸福感が身体のどこかを漂い続ける。

古いものを撤去し、新しい看板を設置した先月初めには、根元周りの雪が土で汚れて心苦しかったのだが、今ではきれいな雪に覆われてずっと前からそこにあるかのように立っている。
樹脂や布や金属などの素材が嫌いな訳じゃない。でも、木を触るときに伝わる同じ生き物同士という雰囲気、力任せの荒仕事を許さないやさしさや温もりがやっぱり好きだ。このつぎコイツが取り替えられるときに自分はまだ生きているだろうか。時々顔を合わせながら一緒に老いて行こう。

本州方面は昨日降った数センチの積雪で陸も空も完全マヒの大パニック。東京都心で6cm。けが人続出、事故多発、道路はあちこち放置車輌とか・・。
札幌はといえば、今年になってからずっと氷点下で連続15日の真冬日。加えて今日は久しぶりに、吹けば舞い上がる羽毛のような雪が朝から降り続き、昼までには30cm位にはなりそうな気配。
ちょっと寒いけど、除雪機のエンジンを回して、今年初の除雪でもしますか。