水面を撫でる風


この10日ほどの間に雪解けはハイスピードで進み、北国の里山にもやっと春らしい空気が充満し始めました。
温もりのある風が水面をやさしく撫で、待ちかねていたミズバショウにみじかい時の時を告げています。
雪の白さだけが主役の冬の半年が終わり、これからあらゆるものが膨張する夏の半年が始まろうとしています。

それにしてもこの冬を思い返せば、かつてないほど記録づくめで厄介な半年でした。

遅れてきた初雪がもたらした大雪はそのまま根雪になり、一度も解けずにまるまる5ヶ月以上も白い世界が居座りました。年末から1ヶ月以上も続いた氷点下の真冬日。2月後半からの記録的な大雪。何人もの犠牲者をだした暴風雪。さらに雪解けを遅らせる春の低温。

我が身に於いてもこの冬は、歳が明けてからはスノーシュー製作に追いまくられ、知人の子供に約束したキッズパルクも作られず、春の強風で艇庫の屋根が吹き飛ばされ、おまけに車の夏用タイヤを2台分も盗まれ、踏んだり蹴ったり(踏まれたり蹴られたりの方が正しい)の半年でした。

いよいよ春を迎えるというのに、肩を落として下を向く自分を、「まあ、無理もない」と見下ろすもう一人の自分がいます。

このところ姿を見せないキツネのカップルは<お産>に真剣さを注いでいるのでしょうか。

さあ、春の勢いを借りてヤル気を奮い起こしますか。