オートキャンプ事情in北海道 その2

多くのキャンプ場で言わずもがなの禁止事項が多いと書いた。だがこれは道内に限らず、またキャンプ場に限られたことでもないように思う。
とかく施設や団体を管理する側は、日本人に深く染み付いた<事なかれ主義>をすべからく発揮して、とりあえずぜ〜んぶ禁止としておく。
そうすればトラブルを未然に防げるし何かあっても責任は回避できる。
しかし、残念ながらここに利用者側の視点は無いし、時代と共に変った旅行形態への対応も無い。

キャンプ場は確かに増えた。思い返せば昭和30年代末から40年代にかけて、それまで国防色だった綿帆布の天幕が、黄色いビニロンの屋根型や家型テントに代わった頃だ。欧米の野外教育をまねて、自治体や教育委員会が各地にキャンプ場を設置しはじめた。この時点で一般人や家族での使用は想定されず、学校の運動場のような地面に、時にはロープまで張って整然とテントを建て、あげく周囲に側溝まで掘って、起床から就寝まで号令一下の軍隊式団体行動を理想として運営されてきた。
正確な数は判然としないが、昭和時代からあるキャンプ場の殆んどは、その前身がそういう学校キャンプの為の施設かと思われる。飯盒炊さんのための大きな炊事場があり、グランドのような広場の中心にはキャンプファイアーサークル。クルマは駐車場に停めて荷物は手持ちかリヤカーで搬入する。また、利用者の方もキャンプとはそういうものと認識している人が結構いる。
学校キャンプもあって良い。ただ、オートキャンプ場を掲げる施設にあっては、もう少し利用者のニーズに合わせたサービス業に重心を移したらどうだろうか。 ・・続く。