舟出

早朝の電話で完成を告げられ、セーリングカヤックの披露パーティーに行ってきた。
ヨットマンでもある㈱光源舎オートプロダクツ社長の中島さんが、2年間の試行錯誤を繰り返し、その集積としての完成艇モデルが形になった。何はともあれ、中島さんの熱意に祝杯を捧げたい。
シロート的思い付きや道楽を極めるなかで、この手の特別な仕様や改造を持ち掛けられることが結構多く、中島さんには悪いが最初の1年位はテキトーに距離を置いて付き合っていたように思う。だが、この人の情熱は違った。業務命令ではなく、興味を持った社員有志をそれとなく味方に付け、それでも自分で体を汚しながらの作業や艤装テストだったようだ。
中島さん一流の経営者感覚なのかも知れない。昨年の今頃には、1年先に横浜で開催されるインターナショナルボートショーに出展を予約してしまった。その時点では完成艇のイメージも固まっておらず、どう見ても無謀な見切り発車に思えたものだが、寝る間を惜しんで注ぎ込んだ1年間の熱意が、展示艇の完成をキッチリ間に合わせたのだ。

写真の1号艇はアマタックベースだが、この他に2艇種のラインナップでのスタートの予定だ。
セーリング関連の装備を除き、艇体やパーツは当方で製作することになりそうだが、なにより中島さんのプロデュースによって誕生したものだから、ノーライトの名は伏せ、新しくエトピリカのブランドでのふな出となる。
6日からパシフィコ横浜(みなとみらい)で開催されるボートショーに向け、明日には北海道を出発するそうだ。

冬が終わり、彼女達が何艇も風を受けて水面を滑る姿を想像してみる。
ロッド=スチュワートの<Sailing>が聞こえてきそうだ。