食欲直結

この10日ほどの間に、濃縮凝縮の春が猛スピードで走り抜け、里山はいっきに初夏の装いに移ろってしまいました。
コブシもサクラもすっかり花びらを落とし、枯野の景色を作っていた全ての木々は、それぞれの枝先から今年の若い葉を拡げ始めて、一日ごとに緑の密度を高めます。

工房の前の笹やぶの中の、それこそ猫の額のような空間に、ことしもギョウジャニンニクがいっぱい生えてきました。北国の生活者にとって絶対に欠かせない春の味。春旬鍋に卵とじ、おひたし・焼肉・酢味噌和え、ラーメン・チャーハン・ジンギスカン、そのままでよし混ぜて良し、さらには漬け込んだり冷凍したりもまた重宝と、ざっと思いつくだけでも手足の指では足りません。

日陰に芽吹く濃い緑を目にすると、<食べたい>というよりも、無性にそのパワーを体内に取り込みたくなるのです。