晩秋から初冬へ

先月10日に大雪山の峰々にかかった初雪は、ゆっくりとではありますが、あちこちの頂を白く塗り、峠の国道も夏タイヤでの通行を拒み始めました。
本州の3千メートル級の山々でも初冠雪が始まったようです。噴火で大勢の犠牲者を出した御嶽山でも、7人の不明者を残したまま捜索を打ち切り、来春の雪解け後の再開という決断が発表されました。

札幌近辺では平地でも今が紅葉の真っ盛り。10年に1度と言われる鮮やかさは、夏がすなおに夏らしかったからだとか。

里山では、ひと夏の役目を終えた無数の木の葉たちが落ち始めています。
晴れた日にははらはらと、風に撫でられてサラサラと、そして冷たい氷雨の今日は水滴たちに促されるように、カサッという小さな音とともに地面に降り積もります。

どこからどこまでが舗装路面なのか分からないほど落ち葉の積もった山道をクルマで勢いよく走ると、舞い上がる大量の葉っぱで後ろが全く見えません。後ろから見ていると、子供の頃に見た<隠密剣士>や<忍者赤影>の葉隠れの術のシーンみたいかも。

隠れているといえば、まだはっきりとはその姿を見せない冬も、この晩秋の景色の背中に隠れながら息を吸い込んで出番を待っているような気配がします。