鹿肉パーリー

この時期としては久しぶりに、ほんとに久しぶりに仲間が集まりました。年の瀬を控えて、それぞれが何かを抱えて忙しないことでしょうが、「Mさんが鹿の足を1本持って来る」との情報に、予定を変えてまで大人と子供14人が山の工房へ来てくれました。

充分に塩を擦り込んだ柔らかい肉は、焼けるはしから削ぎ取られ、たちまちみんなの胃袋に納まっていきました。
思いついてカメラを構えた時には、ほとんど食べられたあと。

その後も薪ストーブを囲みながら宴は続き、仕事のこと、子供のこと、健康のことなど、未明にそれぞれが寝つくまで話題が途切れることがありませんでした。
工房の柱には、この20年余りの間の呑み会に来た、たくさんの大人や子供の身長がビッシリと書き込まれています。

「うわっ、オレちっちぇえ。いくつの時だ?」「いやア、こんなに小さかった娘がママになってもう2人目だよ。」
大人の身長には変化も興味もありませんが、子供たちが一年ごとに大きくなるのを、たくさんの数字の中から見つけ出すのは感慨深いし、みんなが笑顔になれるものです。

この工房の周辺で、おおぜいの子供達が四季折々の自然に溶け込んで過ごしてくれたことは、自分一人が不便さを楽しんでいた訳ではないと思い知らされます。