利口なバカ

ご多分に漏れずと云うか、人並みにというか、いつからかネットショッピングに手を染めております。
とは言ってもそこは根っこが貧乏人故、手当たり次第クリックして届いた宅配便の山に辟易ということではなく、ときどきAmazonMonotaroで仕事に必要な道具や材料を注文したり、欲しい物をYahooオークションで探したりするくらいのことではあるのです。
現物を手にすることはできないものの、マウスを動かすだけで詳細な寸法や品質が分かり、居ながらにして注文から代金決済まで僅かな時間で完結し、後は何もしなくても1日から長くて数日後に受け取るだけという、簡単で便利なシステムには大いに恩恵を受けております。
販売形態や流通環境に多大な変革をもたらしたネットショッピングは、個人がパソコンに向いさえすれば国内はおろか海外も含めて簡単につながることができ、そのシステムはどこまで進化し続けるのか想像もつきません。

ちょっと気になるのは、その<つながる>という部分です。
いやね、簡単なのはありがたいのですが、一旦つながるとこちらの情報が全て吸い上げられ、当人があずかり知らないところで良いように使われている(らしい)ってのが気に入らないところなんです。
クラウドっていうんですか?ビッグデータでしたか?全世界の人間の生涯のありとあらゆる情報がずっと未来まで溜められるという、神の手も届かないようなモノをいったい誰が考え出し運営しているのでしょう。
個人の性別や年齢、物品購入歴やネット検索動向などを自動的に分析して、それがまた別のビジネス展開になると云います。それはそれで良しとしましょう。
ただ、頼みもしないのにそこから毎日のようにパソコンやスマホに<Meiwaku>メールが降り注いで来るのはどうしたものでしょう。

めいわくメールといっても2パターンがあります。
とにかく数撃ちゃ当たる方式で膨大な数のアドレスに送り付けるタイプ。これは対処も簡単でアドレスの綴りが違うことも多く、それらしき覚えのないヤツは開かずに片っ端から削除すれば良いだけですが、面倒くさいのはもう一方の個人を特定して狙い撃ちしてくるおせっかいメール。

例えば、10月頃にYahooでキャンパーのスタッドレスタイヤを買ったのです。それ自体は良い買い物で満足できるものだったのですが、その時の検索の痕跡が残っているらしく、2ヶ月以上経ったいまでも毎日のようにタイヤの情報やセールの案内が届きます。我慢ならないのは購入したYahooからの、「これを買った人にはこんな商品もお勧めです」といったメールです。
「おまえらバカか!いま買ったばかりなのに同じ物をまた買うやつなんかいるわけないだろ。」

例えば、10年近く前、たしか妻の誕生日にエンヤのCDを買ったのですが、いまだに性懲りもなく類似のCDの案内が届きます。それも趣味や動向の枠をえらく跳び越えて全く縁の無いジャンルの・・。

例えば、やっぱり10年くらい前、熊谷達也の単行本を買ったことがあるのです。新刊が出る度に案内がくるくらいなら許せますが、すでに買った本や他の作家のものまで節操なく・・といった感じです。
「こちとら2年前に目の手術に失敗して、小さい活字の分厚い本なんか読めなくなったんだ、逆なでするのか、ボケッ。」

データ分析は良しとしてやる。アタマは良いんだから、しつこさと的外れはなんとかしなさい。