共に生きるもの

今朝がた工房に来る道端で、輪禍死したと思われるタヌキの死骸にカラス達が群がり、興奮状態で毛皮や肉を引きちぎっているところに出くわしました。
ときどき見かけていた、3頭の子ダヌキのうちの1頭かもしれません。
このところこの近辺では、タヌキにとって勝ち目のない天敵だったアライグマが駆逐され、一時は全く見かけなかったエゾタヌキの棲息が復活し、数年前から毎年のように3〜5頭の子を連れたタヌキを認めていたところです。

かわいそうですが、人間社会の近くで生きる野生動物にとって、とくに動きのあまり俊敏ではないタヌキには、道路上でのアクシデントは避けられない受難のようです。
天敵も狩猟圧もないタヌキにとって、最大の敵はクルマと犬になりました。何度か危ない目怖い目に遭いながら、それをすり抜け身を交わして命を繋いでいきます。

先月はヒグマの親子に遭いましたし、3日前の帰りがけにもオスのエゾシカと危うく接触するところでした。そのほかにもキタキツネの親子やエゾリスなど、放置された里山の自然が回復するにつれ、それに比例して身近なところで野生が復活していきます。

復活といえば、北米でバイソンに出会えました。


写真はカナダ・アルバータ州の国立公園での一コマですが、8頭ほどの群れが道路脇で草を食むシーンに遭遇しました。見た目のビースト感とは裏腹におっとりとして警戒感の薄いこのバイソン=アメリバッファローは、西部開拓史と共に肉と毛皮を提供しながらその数を減らし、40年前には絶滅状態で厳重な保護政策のもとにおかれていて、滅多に見ることができるものではありませんでした。
1度だけイエローストン国立公園内の草原で出会えましたが、満足な望遠レンズもないカメラで撮った写真は、それと説明しても信じてもらえないような1個の黒い点にしか見えなかったことを想い出します。

人間の保護下であっても、こうした野生がそこにあることが、間違いなく地球を豊かにしていると思いませんか。