ミナミタラバ・・?

朝な夕なの通勤時、それに仕事をしている間のず〜っと、一日中ラジオの音が聞こえています。真剣に聞き入ることなどほとんどなく、音楽もトークも人生相談も右から左へと通り過ぎて消えて行くのですが、このごろ気になっているというか、聞く度にムカつく思いのするラジオ通販ショップがあります。

「今ならまだ間に合います。豪華三段重のおせちがな〜〜んと送料込みで2万円!」
「この時期、大掃除に絶対必要な吸引力抜群のダイソ◯のサイクロン掃除機!!」

などといったかまびすしい耳タコに混じって、最近鼻(耳)につくのがこいつです。

「お正月、ご家族やご友人が集まってのひと時、ぜひ召し上がって頂きたいタラバガニ!・・な〜んですが、人気と共に価格もヒジヨーウに高騰しております。密猟の取り締まりや漁獲制限でなんと前年比40%減のロシア産タラバに代わって、昨年から急遽登場したのが見た目の変わらないミナミタラバなんです。冷たい南極海で育ち、ギュッと身の締まったこのカニは、これまでのホンタラバと食べ較べてもまったく違いが判らないどころか、私共のスタッフでもむしろミナミタラバの方が美味しいという者が多いという、しかも、これまでの1kgに加えて、ど〜んともう1kg。合わせて2kgで、なんとポッキリ1万円!! 今年がチャンス。来年からは品不足で価格高騰まちがいなし!」

商魂たくましいと言うか恥知らずというか、「儲かりゃ何でもありかよ!」と罵りたくなるじゃないですか。
もともとこいつは南米大陸の南端付近、パタゴニア近海で揚がる<セントーヤ>というカニで、<南極イバラガニ>というれっきとした和名だってあるんです。チリやアルゼンチンではメルカードやレストランで安価に提供されて親しまれている蟹ですが、札束で買い占めたりするからすでに来年の品薄が問題になっているようです。

鱒をトロサーモンといったり、テラピアをいずみ鯛と名付けるくらいなら百歩ゆずるとして、よその国からヒンシュクを買うような荒っぽい商売はやめてほしいものです。 @