焦がれて待っていた訳ではないのです。その音の無い朝は今日とつぜん訪れました。 北国の生活者なら誰もが幾度となく体験する予感。目覚めた瞬間に呼び覚まされる、古くておぼろな記憶でしょうか。全く音が消えた時の無音の音が聞こえてきます。微細な雪の結…
<忘れ花>。また<帰り花>とも呼ぶそうです。底意地の悪いフェイントだったのか、二度ほど白い物をちらつかせた冬は気まぐれに姿を隠し、初秋のやわらかな暖かさが戻ってきました。 騙されて開花したのは、北海道の山野に自生し、春いちばん、コブシやレン…
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