桃太郎か!

中韓にとどまらず盟友とする米国にまでも苦い顔をされ、それでも傲慢に自らの意思を具現化しようとする我が坊ちゃんは、この国をこの国民を何処へ向かわせたいのか。
愛国心教育憲法改正集団的自衛権の行使容認、武器禁輸措置の解除、特定秘密保護法制定と、いっぱいに切ったおもかじから手を緩める気配は無い。それどころか、周囲の意見を断ち切っての靖国参拝にはヒロイズムさえ漂わせ、意味不明の積極的平和主義とやらを繰り返す。
退却を転進、全滅を玉砕と言いくるめた大本営でもあるまいに、武器の輸出を防衛装備の移転と言い換えてはばからない。
アメリカが世界のどっかで喧嘩をしたら、一緒に出かけて行って相手を殺したいようだ。

ここまで書いて桃太郎の童話を想い出した。そうか、我が坊ちゃんは桃太郎に、それとも犬か猿にでもなりたいのか。
エサで誘った家来と共に舟を仕立て、悪い鬼どもが暮す島へ乗り込んで寝込みを襲い、金銀財宝を奪って戻ってくる。
心配しながら浜で待つお爺さんとお婆さんからすれば、それはめでたい話に違いない。日本人なら子供の頃に誰でも聞かされる昔ばなしだ。
でもそこで終わらずに、鬼たちの側からちょっと考えてみることができないだろうか。そりゃ異形の徒かもしれないが、いきなり乗り込んできて暴力を振るい、宝まで持ち去ることが正義なのか?

この島国にしか伝わらない<桃太郎伝説>よりも、世界中に知られたイソップ童話の<北風と太陽>を読むように薦めたいが、如何だろうか。